ラルク好きの病弱主婦が綴る、日々や過去のコト。現在旦那と別居中。

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母の気遣い

2008 - 05/14 [Wed] - 12:59

2003年 冬

りゅうの夜泣きは続いていた。
睡眠時間が2時間というのも続いていた。
お婆ちゃんの監視も日に日に酷くなる。
りゅうがないてオロオロしていると、後ろで音もなく声もかけず黙って私を見ていた。
夜中も突然部屋に入ってきたりする。
どんどん食べられなくなっていく私に不満だったようだ。
「せっかく流月の為に作っているのに、全然食べなくなってしまったね。食べないと母乳が出ないよ。赤ちゃんの為に食べないと。」
産後1ヶ月を過ぎる頃、体重は10kg落ちた。

食べるより寝たい。
とにかくゆっくり寝たい。
病院はまだマシだったんだ。
あんなに毎日実家に帰りたいと思っていたのに、病院に帰りたいと思っていた。

沐浴は自分でやった。
そのうち左手首が腱鞘炎になった。
痛くて痛くて、沐浴中にりゅうの頭を支えるもブルブル震えてしまう。
それでも耐えるしかなかった。
誰も代わってくれなかった。
でもりゅうの気持ち良さそうな顔を見ていると頑張れた。
沐浴期間は1ヶ月。
手首が持つだろうか・・・。
すぐに左手に力が入らなくなり、りゅうの薬の袋も切れなくなった。
物が持てない程になってしまった。
それでも膝の間に薬を挟み、右手にハサミを持って薬の袋を切った。
正直、これくらい誰か代わってくれないものかと思った。
頻繁に水を触るので湿布すら出来ない。

姉が言った。
「私も腱鞘炎になって、料理中に手に力が入らなくて包丁を落とし、自分の足に刺さりそうになった。
でも誰も手伝ってくれなかったよ。旦那に言っても構いやしないし。」
そんなもんなんだろう。
母親になるって大変だ。

でも・・・・産後は大変だから実家に戻ってきたのに、これじゃ東京に一人でいたって変わらないじゃない。
誰も育児は手伝ってくれない。
それどころか自営をしているうちには邪魔な時もある。
もっと皆手伝ってくれて、せめて実家にいる間はもう少し休めるのかと思っていた。
一人の方があれこれ言われる事も、監視される事もないし、きっと今よりゆっくり眠れる。
産後2ヶ月は実家にいると決めた事を後悔していた。
早く東京に帰りたい・・・・。

りゅうを抱き、母の所へ行こうとしていた。
すると
「危ない!!」
その大きな声で我に返る。
母がりゅうを抱いていた。
私はフラフラしてよろけてしまったようだ。
「流月、あんたもう限界よ。」
極度の睡眠不足とストレスで、真っ直ぐ歩く事が出来なくなっていたようだ。
そんな自分の状態にも気付かなかった。
母の部屋に寝かせてくれ、りゅうも寝かしつけてくれた。
「次の授乳まで寝なさい。」
ここ数ヶ月の中で久しぶりにゆっくり眠れた。
それでも3時間程度だけど、十分だった。
お婆ちゃんと父は甘えているの気に入らなかったようだ。


ある時母がりゅうを抱っこしながら言った。
「これから色んな苦労があるだろうに・・。可哀そうだね・・・。」
私は笑ってしまった。
「何言っているの?やっと生まれてきて、これから楽しい事が沢山あるよ、なら分かるけど、なんでもう可哀そうなの?」

すると母は
「楽しい事ならそれで良いじゃない。これから大変な事がこの子に沢山あるだろうなって思ってね。もちろん誰にでもある事よ。でもこんなにスヤスヤ眠って、まだ何も分からない姿を見てるとちょっと複雑ね・・・。」

それは3人の子供を育てた母の気持ちだったんだろう。
私にはまだ理解出来なかった。
「これから楽しい事だらけだよ。」
私は軽い気持ちで言った。
辛い事だって、この子となら楽しさに変えてみせる。
そんなありきたりな自信があった。

気持の分からない小児科医

2008 - 05/14 [Wed] - 12:29

2003年 冬

けいちゃんはりゅうが実家に戻り、すぐ会いにきた。
慣れない私の実家で気遣いながらも、親の前で寝そべったりする姿はちょっと理解出来なかった。
りゅうを怖々抱き、まるで親になった実感が無いと話していた。
他人の子を見るように、りゅうを見ていた。
「オムツ替えてみる?」
そう言うと
「東京に帰ってきたらゆっくり挑戦してみる。」と。
それはそうだろうな。
突然やれと言われても、私だって困惑する。
ゆっくりでもやってくれたら嬉しい。
仕事があるとほんの数日で帰って行き、けいちゃんの両親は一度電話で話したきり、実家にりゅうを見に来る事はなかった。

総合病院ではアレルギーの疑いがあると言われた事を伝えると、採血する事になった。
こんな小さな腕から採血出来るんだろうか、と思う。
「赤ちゃんは足の裏からするんですよ。」
と看護婦さん。
大人でも痛そう・・・。
りゅうは大きな泣き声をあげた。
「早く良くなろうね。」

医師は突き放すような言い方をする男性だった。
東京在住という住所も気に入らないらしい。
これでよくこの大きな総合病院の小児科医をやってるなと思った。
湿疹の事も相談するといかにもうるさいなと言った様子だ。
「次来る時まで様子見といてよ。」
と言われた。

それから一週間後、採血の結果を聞きに行く。
憂鬱だったがりゅうの為だ。
大混雑の待合室で偶然高校の時の同級生に会った。
突然の再会だった。
1歳になったばかりだという男の子を連れていた。
高校の頃はあまり仲も良くなく、喧嘩早い女の子に付き、あれこれ因縁を付けては自分では何も出来ない子だった。
悪ぶって、自称不良になりたかったのだろう。
決して好かれていた方ではなかった。
そんな彼女も今となっては我が子を心配するママだった。
昔の事なんてどうでもよくて、再会がとても嬉しかった。
思わず医師の事を愚痴る。

「あぁ、あの先生すっごい嫌でさ。この前なんて、また来たの?って言われた。子供が具合悪くて心配な親の気持ちなんて全然分かんないんだよ。評判も悪いし、私は先生変えて貰ったよ。流月もそうしな?」

やっぱり印象が悪いと思ったのは私だけじゃなかった。

「でもさ、それでよくここで続けられるよね?だって担当替えて貰ったんでしょ?他にもいるだろうにさ。そんな評判悪くて、まだいるなんてね。」
と言うと
「田舎ってさ、直接本人とかに言わないじゃん?それに大きい病院ここしかないしさ。そう思ったら我慢して皆見て貰うんだよ。東京みたいに大きな病院が沢山あって、医者が沢山いれば違うんだろうけど。特にも子供の事となると・・・な。だからますます医者が調子に乗ってさぁ・・・。」

そうだろうなと思った。
田舎は病院の選択肢が無いのだ。

間もなく呼ばれて診察室に入る。
私をやたらにジロジロみる。
この都会人が!とでも思っているんだろうか。
まるで都会に染まれてはいないんだけど。

「いや〜・・早めに来て頂いて正解でしたよ。」
とカルテに目を落とす。
その後長い沈黙。

何か異常が出たんだ。
何だろう?
やっぱり血便が何日も続くなんて、どこかに異常があったんだ。
内臓の異常だろうな。
こんなに・・こんなにまだ小さいのに。
沈黙が続く分、ドキドキが増してくる。
どんどん悪い方へ思考は傾く。
医師は私をずっと見つめている。

医師はやっと口を開いた。

「何も異常はありませんでしたから。」
私を見てニヤニヤ笑っている。
私の様子を見て楽しんでいるとしか思えない。
何なんだコイツ・・・・。

「メレナだと大変だったんだが、違ったよ。
原因は分かりませんが、赤ちゃんには時々ある事だからね。
とりあえずもう少し抗生剤を続けましょう。」

「湿疹はこのままで大丈夫なんでしょうか?」
と聞くと
「あれ?こんなに前回から酷かったっけ?これはかなり酷いなぁ。薬出します。」

前回から湿疹は何も変わってないのに。
本当にこの医師は母親の気持ちを分からない所か、面白がっているようにすら見える。
後に聞けば、この医師の評判の悪さは有名だった。
それでも本人は知らないのだ。
皆頭を下げて診てもらうだから。

この薬はとてもよく効いた。
塗る度に湿疹がひいていく。
生まれてから約1ヶ月半。
やっとりゅうの湿疹は治まりつつあり、ただれたお尻には地元の内科医の先生が薬をくれた。
ある日、近所に住む看護婦さんが父の店に食べに来て、赤ちゃんを見たいとやってきた。
湿疹とオムツかぶれの薬の話をすると、
「その薬は効くでしょう。どちらもステロイドだもの。」と。

その時薬の知識などまるでなかったのだが、ステロイドという名前にあまり良い気がしなかった。
付けるのが躊躇われ、また内科医に相談すると極弱い物だから大丈夫と言われた。
出来れば処方時に説明して欲しかったと思った。


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プロフィール

流月

Author:流月
小学生の頃から続く頭痛。
どことはなしに体が弱いのですが、結婚後鬱病になってしまいました。
後にパニック障害発病。
不安神経症や、解離性障害にもなりました。
結婚前はキャバクラ嬢。
現在は専業主婦で一児の母です。

好きな物
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HYDE
浜崎あゆみ
倖田來未
音楽 ヨガ アロマ 癒しに関する事
お裁縫をしたい今日この頃。
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